TOEICで500点ってどういうレベル?
TOEICで500点くらいを取りたいけど英語力向上とか英会話にはあまり興味がない方のためのニッチな(?)ブログです。
前回のエントリーでは、TOEIC試験について書きました。
では、このブログで目指している『TOEIC500点』はどんなレベルなのでしょうか?
度々引用しますが、まずは試験実施団体のIIBCのサイトにTOEIC公式データがあります。
この中に「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」というPDFがあります。この資料の中ではTOEICのスコア(990点~10点)をA~Eの5つのレベルに分けて表記しています。
500点は470点~725点の「レベルC」に入っていますので、記述内容を引用します。
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。
通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。
【引用元】
https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf
どうでしょうか?分かったようなそうでないような…といった感じですよね?
そもそも470点~725点をひとくくりにして良いのか?という疑問もあります。
では、同じサイトに載っている「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」を見てみます。
このPDFには2018年度のTOEIC受験者の平均点などを色々な属性で記載されています。
TOEIC公開テスト(主に個人で申し込み)では2018年度は以下となっています。
全体平均点 580点(L:321 R:259) 注:LはListening、RはReadingのスコア
社会人平均点 603点(L:332 R:271)
学生平均点 559点 (L:311 R:248)
意外と高いですね。
ところが、これがIPテスト(企業・学校などでの申し込み)では下がります。
全体平均点 471点(L:266 R:205)
社会人平均点 496点(L:277 R:220) 注:資料PDF上は「企業・団体」と表記
学生平均点 449点 (L:256 R:193)
以下に得点の分布を貼り付けておきます。
※画像はあえて小さめにしているので、見にくい方は元資料のPDFをご覧ください。
まずは学生から。
次に社会人。
TOEIC500点の範囲はどちらもピーク(点数分布の頂点)からレンジ2つ3つぐらい上にありますね。学生の分布のカーブが急(ピークに集中して高得点者も少ない)なのは、TOEICで扱う内容がややビジネス英語寄りだからかもしれません。
公開テストとIPテストの平均点の差はテストに対する気持ちの違いが出ているのではないかと思います。個人で自ら申し込み、お金を払って受験する公開テストと、申し込みの手間が会社・学校経由なので、少しハードルが下がっているか、半強制的に受けさせられているのとではスコアに開きがあって当然だと思います。(学生の場合はレベルごとのクラス分けにも利用されると聞いた事があります)
※とはいえ、進級・就職・異動・昇格などの何らかの条件付けの為にご本人の思いとは別に公開テストを受けざるを得ない方もいる事と思います。
(数としては少数派で「腕試し・腕に覚えあり」な方が公開テストを受験している事が推測される事に変わりはありません)
社会人の平均点がだいたい500点でしたが、点数分布をみるとピークはもう少し下のレンジにあります。こうしたことから考えてみてもTOEIC500点は日本で普通に生活している方にとってはやや高めのハードルなのではないかな?と思います。
今回はこのブログを通して目指すTOEIC500点のレベル感についてエントリーしました。
TOEICについて(どんな試験?)
TOEICで500点を取るためのブログを開設しましたが「そもそもTOEICってどんな試験なの?」という点について説明します。
- TOEICとは?試験に関わる団体は?
- 試験の種類について
- TOEIC Listening & Reading Testについて
- 試験内容について
- TOEICの大変なところ
- 【補足:IPテストについて】
TOEICとは?試験に関わる団体は?
TOEICは”Test of English for International Communication”の略で、訳すと「国際コミュニケーション英語能力テスト」です。
この試験は日本では「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会」が実施しています。この団体の略称はIIBCです。試験の開発・試験結果の評価などはアメリカの非営利団体であるETS(Educational Testing Service)という組織で行われています。ちなみにこのETSという団体は英語圏の大学に留学する際に必要なTOEFLという試験の開発も行っています。
※TOEICの歴史などに触れると長くなりそうなので、別のエントリーで書きます。
まずは日本の試験実施団体:IIBCのリンクを貼っておきます。
試験の種類について
上記IIBCのサイトを見るとわかりますが、一口にTOEICといっても以下の5つがあります。
- TOEIC Listening & Reading Test (一般的に言われるTOEICはこれです)
- TOEIC Speaking & Writing Tests
- TOEIC Speaking Test
- TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
- TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
このブログでは特に注釈がない限り、「TOEIC」という言葉は"TOEIC Listening & Reading Test"を指して説明します。
TOEIC Listening & Reading Testについて
試験は大きく分けて2種類あります。
・個人が申し込む「公開テスト」と言われる年に10回実施されるもの
・学校や法人などが申し込みできる「IPテスト」
このうち、「IPテスト」については、過去の問題を再構成して作られているようです。
「公開テスト」についても全てが新しい問題ではなく、一部については今までの問題が再利用されているようです。
※このブログ執筆時点(2020年4月)にIPテストに新しい動きがありました!(このエントリーの最後で補足いたします)
この試験には『合否』がない事は特徴の一つとして挙げられます。(10点~990点のスコアが提示されるだけです)
試験内容について
試験問題は聞き取り(Listening)が100問、読み取り(Reading)が100問で全部で200問あり、そのほとんどが4択問題(一部3択問題)です。
試験時間はListeningが45分間、Readingが75分間の合計120分(2時間)です。
途中に休憩はありません。(これがTOEIC受験の最大の辛いところです)
スコアはListeningが5点~495点、Readingも5点~495点の計10点~990点で採点されます。単純に1問5点で考えると、200問あるので最高点は1,000点になりそうですが、採点方法が特殊らしく、全問正解でなくても990点になることもあるようです。
Listeningは4つのパートで構成され、Readingは3つのパートで構成され計7パートの試験です。各パートの内容・勉強法などについては、今後のエントリーで触れていきますが、概要については公式Webサイトをご覧ください(リンクを貼っておきます)
TOEICの大変なところ
TOEICをまだ受験した事がない方は「何が大変なの?」と思った方もいることでしょう。
”英語に2時間触れている”
この一言に尽きます。英語が比較的好きな方でこれがあまり苦では無い方はスコアが伸びるのは早いと思いますが、そうでない方にとっては非常に苦痛な時間です。
次に大変なところは
”合計200問の問題が多い”
といった点です。効率よく回答する必要がありますが、集中が続かなくなると取り戻すのに時間を要し、試験時間内に回答できる問題が少なくなってしまいます。
Readingの方が時間が多い(75分間)ですが、ほとんどの受験者は最後まで問題を解く事ができず、最後の20問~30問くらいをただマークシートを塗りつぶす(通称:塗り絵状態)ことになります。
このブログでは今後、TOEIC試験で500点を取るためにどういった準備(勉強)をするか、試験中はどうするか?などについて情報を提供していきます。
【補足:IPテストについて】
IPテストにオンライン形式が追加されました。
2020年4月から実施のIPテストについて、パソコンでの受験(オンライン)が追加されました。
現時点で詳細は不明ですが、試験時間が1時間と短縮された代わりにListening、Reading共に試験の前半の回答内容から、後半の試験の難易度が変わるCAT(Computer Adaptive Test)方式となるようです。
※このブログでは、以降のエントリーについて特に注釈がない限りは一般公開試験と同様のマークシート方式について記事を書きます。
このブログについて
英語があんまり好きでないのに進学、就職、異動や昇格の条件でTOEICスコアが必要な方にTOEICについての情報や勉強法を紹介するブログです。
※ターゲットのスコアは500点を想定していますので、それ以上のスコアが必要な方は別のブログを探した方が良いです。
〇生まれてから今まで海外の人と話す機会はほとんど無かった方
〇英語がそんなに必要ない職種なのにスコア基準が設定されて困っている方
〇中学ぐらいまでは何とかなっていた英語が高校以降に難しく感じて疎遠になった方
〇「英語が分かって困る事は無いよ」と言われて「分かって困る知識は基本的に無いだろう!」とイラっとする方
〇アルファベットの歌(ABCDEFG~♪)がLMNあたりで怪しくなる方
…など、上記の一つでも思い当たる事がある方が対象です。
このブログは「TOEICで500点」を取るために最低限必要な知識・スキルは何か?を考えて立ち上げました。
その為、英作文や英会話(スピーキング)についてはほぼ触れる事はありません。
TOEICについては他のエントリーにて説明・紹介していきますが、このブログでの情報を通して『通過儀礼(TOEICスコア)』をクリアーしたうえで、
・自分の本来の勉強・研究・業務に専念する
・「英語、もう少しやってみようかな…」と、更なるTOEICスコアアップや英会話等の別の勉強を始める
など、それぞれの道に進めていける事を願っています。